頑迷という言葉があります。頑固とは違い、①頑なで物の道理が分からないこと、②考え方に柔軟性がないことで、自分の意地を通した挙句に困り果てるほどに愚かで頑固なのが頑迷です。
単なる頑固なだけでなく、物の道理を把握していないので自分が困っていても認めようとしない我の強さがあります。単なる頑固や維持を張るのは経験などに裏付けされた独自の確証などから考えをつらうのに対して、頑迷はその裏付けとなる主義や考えが誤りであると気づかない、あるいは気づいても認めようとしない頑固さと言えるでしょう。
30年近く教える仕事をしていて感じるのは、成績が3・4の生徒さんほどこの頑迷さが学習意識や学習姿勢に見受けられることです。
成績が3・4というのは勉強が得意とは言い切れない部分があります。絶対評価では尚更です。
学習している様子を見ていると、どうでもいいことに拘っていることに気づきます。これはテストの点数だけではわかりません。
例えば、
「計算用紙に計算したものを消しゴムでわざわざ消す」「計算用紙で計算していて計算間違えをしたら、消しゴムで消して計算し直す」
→ 時間の無駄。消しゴムを使っている時間ほど何も考えていない時間はない。個人的には机の上の集まった消しゴムのカスを私は秘かに「空薬きょう」と呼んでいます。
「あと少しで解答を書き終わりそうというところで、突然鉛筆の動きが止まる。しばらく考え込んでいるので、理由を尋ねると、解答欄からはみ出しそうなので消して書き直すかどうか悩んでいた」
→ 答えを書く前に文字の大きさなどは意識しながら書けるようにならないと・・・。
「計算は暗算でするものと学校などで言われてきたようで、因数分解や方程式、図形の角度を求める問題でもすべて頭の中で処理しようとして間違えたり、混乱したりする」
→ 暗算などは誰もがすらすらできるわけではない。筆算で十分。学習経験値が増えて学年が上がれば徐々にできるようになるもの。苦手な教科のマルチタスクは効率が悪い。
他にも、「要点をまとめたプリントの説明個所の大切だと本人が思う個所を蛍光マーカーで線を引いていたら気が付けばマーカーだらけになっている」「余白の使い方が下手」などいろいろあります。
勉強の姿勢でも共通するのは、「面倒くさがる」「横着する」ことを「効率よく学習している」と思い込んでいることがあげられます。勉強法などに関する自己評価が高いので、周囲のアドバイスをなかなか受け入れません。
次回に続きます。